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船場の歴史

江戸時代の船場の様子

江戸時代の大阪の町並み

江戸時代の大阪の町並み

天下の台所として各地の特産物などが集まっていた。(大阪府立中之島図書館所蔵)


船場のはじまりは豊臣秀吉が石山本願寺跡に大坂城を築いたときにさかのぼる。
当時、築城にともなって大勢の家臣団や武士たちがこの地に集まり、武器や武具から食料、生活用品などが大量に必要となった。そこで秀吉は堺や京都・伏見から商業者を強制的にこの周辺に移住させ、急速に城下町の整備をすすめた。これが船場地域の都市基盤の基礎形成のはじまり。その後、船場周辺には船宿、料亭、両替商、呉服店、金物屋などが次々に誕生し、わが国の経済、流通の中心地となり栄え始めた。

誓文払い

江戸時代の大阪の町並み、描かれているのは誓文払い。

現在でいうところのバーゲンである。年末などに定期的に安売りを行っていた。 (大阪府立中之島図書館所蔵)


一般的に船場といわれているのは、北は土佐堀川から南は長堀川(現在の長堀通り)、東は東横堀川(現在の阪神高速南行線)から西は西横堀川(阪神高速北行線)まで南北2km、東西1kmの地域。名前の由来は、かつてその一帯が船着き場だったことから「船場」と名付けられたという説が一般的なようだ。軍馬を水浴させた「洗場」やよく戦争の地になったことから「戦場」などの諸説も残っている。

江戸時代の船場のおもなできごと

1624年 住友創業
1656年 鴻池善右衛門両替商創業
1750年 松平忠明の市街地整備、堀川の開削
1838年 適塾開設

明治~大正時代の船場の様子

大正3年の本町筋

大正3年の本町筋

大阪の主要な道路の一つとして整備されている。(大阪府立中之島図書館所蔵)


幕末から明治時代初期にかけては、豪商の倒産、蔵屋敷の廃止などの影響で大阪全体の経済活動が停滞期に入り、船場地域もこのあおりを受けることになる。しかし大阪は市域が拡大されたことで、再び商工都市として発展するように。船場でも明治中期、市電の開通や中央下水道改良事業などがはじまった。さらに平野町周辺は料亭うどん屋、うなぎ屋などの老舗が並ぶ大阪でも屈指の繁華街に。このように船場地域は再び商業地区として注目され、好景気のまま大正時代を迎える。

明治〜大正時代の船場のおもなできごと

1878年 大阪株式取引所開業
1908年 市電東西線開通(四ツ橋~末吉橋)
1912年 市電堺筋線開通(大江橋~日本橋3)
1913年 市電靱・本町線開通(川口町~谷町3)
1926年 住友銀行本店完成

昭和時代の船場の様子

昭和時代の船場の様子

昭和4年の堺筋、当時から主要幹線道路として賑わっていた。路肩では商店が軒を連ね、近代都市の代表として流行の発進基地でもあった。(大阪府立中之島図書館所蔵)



昭和時代の船場の様子

昭和4年の久太郎町付近、各地の特産品を扱う卸売街だった。船場は当時から300年の歴史をもった商いの町として繁栄していた。(大阪府立中之島図書館所蔵)


第二次世界大戦後は、御堂筋、四つ橋筋、堺筋をはじめとする街路の新設拡張など都市基盤の整備がめまぐるしい勢いで進められた。なかでも船場地域は東西方向の川の流れに沿った恵まれた構造から、御堂筋を中心に南北方向の都市軸を持つ構造へと変容を遂げた。このことで繊維卸売業者が集中していた丼池繊維問屋街も活況を呈し、近畿地方はもとより西日本全域を代表する商業地域に。御堂筋(淀屋橋~本町)沿道は建設ラッシュを迎え、軒高のそろった街並みが出現。そして1970年、大阪万国博覧会の開催に合わせ、御堂筋に面した地下鉄本町駅から堺筋本町駅を超えて東西にのびた船場センタービルが完成。ショッピング店、飲食店、事務所などが入り、船場の新しい顔になった。


昭和時代の船場のおもなできごと

1964年 長堀川埋立て
1969年 地下鉄中央線開通(本町~谷町4)
地下鉄堺筋線開通(天六~動物園前)
1970年 中央大通り開通 船場センタービル誕生
1973年 大阪国際ビル(当時西日本最高125m)
1980年 船場都心居住促進地区、再開発地区計画制度
1983年 御堂筋パレードスタート

ビル建設前の船場の辺りの様子(大阪府立中之島図書館所蔵)

北久太郎町通り
北久太郎町通り

北久太郎町通り西向き(昭和39年頃)

北久太郎町通り

狭い路上を人と車が行き交うビル建設前の街の写真

丼池商店街
丼池商店街
丼池商店街
ビル建設中の堺筋
ビル建設中の堺筋
ビル建設中の堺筋


現在の船場の様子

船場センタービル

外壁工事が完了した新しい船場センタービル。

現在も船場地域は大阪市の中心エリアとして、国際的な金融機能や業務機能などの集積した国際ビジネスゾーンの形成、アメニティ豊かな空間の創造をめざした街づくりがおこなわれている。そしてこのように伝統と歴史ある商都大阪の中心部に立地する“船場センタービル”は、商品販売と仕入のファッションの情報発信基地として、今世界から注目を浴びている。また、地下街には、世界のグルメを集めたレストラン街が配置されており、食いだおれ大阪の”味覚のメッカ”としても話題に。


平成時代の船場のおもなできごと

1996年 御堂筋高さ50mに制限緩和
2002年 大阪産業創造館開業